リレー制御

リレーを使って制御回路作ってみます。「ラダー回路」、「ラダー図」の基本となりますのでしっかり理解してください。

今までの説明では、リレーはボタンを押したら動作したり、センサーによって動作するだけで、特に制御には使用できないようにもみえます。まずはスイッチとコイルを接続してみましょう。

これでどうでしょう?押しボタンを押せばリレーが動作しますし、放せばリレーも元に戻ります。これだけでは意味のない回路です。次はボタンを押したらリレーを動作させ、ボタンを放しても動作させたままにして見ましょう。

自己保持回路

コイルの接点を、押しボタンスイッチと並列につけてみました。押しボタンスイッチを押すとコイルが動作します。するとコイルの接点も動作します。 これで押しボタンスイッチの変わりにコイルの接点が自分で自分のコイルに電流を流し続けるのです。押しボタンスイッチを放してもコイルは動作し続けます。これを「自己保持」と呼びます。

自己保持なのですが注意しなければいけないことがあります。自分で保持するから自己保持なのですが、保持した後は解除ができないのです。これは問題なので解除する接点を入れる必要があります。

自己保持の解除

上の図のようにスイッチのb接点を入れました。ようするにコイルへの電源供給を止めれば自己保持は解除させます。メインの電源を切っても自己保持は解除されます。 上の回路図ではスイッチを押せばコイルは動作し、「切」のスイッチを押せば自己保持は解除させて、コイルも戻ります。 コイルには複数の接点があるので、自己保持に使用していない別の接点を使い、a接点に緑色のランプをつけ、b接点に赤色のランプをつけ、ランプに電源を供給すれば、押しボタンを押せば緑色が点灯して、切のボタンを押せば緑は消灯して、赤色のランプが点灯するようなこともできます。

リレー制御は基本的に自己保持を順番にかけ、最後に全部の自己保持を解除します。簡単な回路を紹介しておきます。

リレー制御回路

この回路はDCで動作させています。ACでも可能ですが、センサー等があるためDCで行ないます。まず上から順番に説明していきます。まず上の2個のコイル(CR10、CR11)は、センサーの信号用です。 センサーを反応させるとリレーがカチカチ働きます。センサー等が働く条件を入れたいのであれば、この部分に接点を入れると出来ますが、私はこの部分は単独で動作させるようにします。リレー回路は複雑になると自分でも理解が難しくなります。 制御回路の組み方の基本ですが、誰でもわかるような回路作りを目指しましょう。

この回路の動作なのですが、押しボタンを一度押すと自動運転。切のボタンを押すと停止となります。自動運転中に光電スイッチを反応させると、シリンダを動作させます。シリンダが動作完了したら、シリンダを元に戻します。 ここでシリンダとはエアーを入れると前進したり後退したりするものです。ここでは詳しく説明はしませんが、電磁弁という物に電源を供給するとシリンダは動きます。そこで電磁弁にリレーで電源を供給するものと仮定します。

まず押しボタンを押すとCR1がはいります。これは自己保持をかけていますので、一度押せばCR1は入り続けます。 そして切のボタンを押せばCR1は切れます。つまりCR1を自動運転とします。ランプが必要であればCR1のa接点で点灯します。

次は光電スイッチです。CR10が入り、CR1が入ればCR2が入ります。つまり光電センサーが反応したとき、自動運転であればCR2が入ります。 このCR2でシリンダの電磁弁を動作させればいいのです。このCR2も自己保持です。リレーでシーケンス制御を行う場合は、基本的に自己保持を繰り返していきます。

CR2が入るとシリンダが動作します。するとシリンダが前進端に行くとシリンダセンサーが入ります。このシリンダセンサーはCR11です。CR2が入ったときCR11が入る、つまりシリンダが動作したときセンサーが入るとCR3が動作します。

CR3が入るとどうなるでしょうか?CR2の自己保持の条件にCR3のb接点が入っています。つまりCR2の自己保持が解除されます。CR2が解除されるとシリンダが戻ります。さらにCR3も解除されます。つまり回路がリセットされるのです。 再度光電センサーを反応させれば同じ制御を繰り彼します。これがリレー制御の基本となります。

ここで条件なのですが、単独でCR11が入ってもCR3は動作しません。このように条件を正確に入れることが重要です。そうしないと回路が途中から動作して大変危険な状態になります。上の回路図のように順番にコイルを入れていく制御を一般的に「歩進制御」と呼んでいます。 また、条件を入れる場所によっても動作が変化します。この回路ではシリンダが動作を開始した直後に切のボタンを押すと、押した瞬間にシリンダは戻り動作は停止します。上の回路図ではCR10という接点に並列にCR2が接続してあり、自己保持になっています。 これをCR1にも一緒にかけてみましょう。上の回路図で説明すると、接点のCR2の右側は、CR10とCR1の間に接続されています。これをCR1とCR3の間に接続するのです。 するとシリンダが動作中に自動運転を切っても、シリンダの動作が完了した時点で停止をします。これをサイクル停止と呼びます。

リレー制御の最後に注意点があります。それは接点の反応速度です。コイルに電源を供給して接点がつながるまで、20ms(0.02秒)程度必要です。さらに重要なのはa接点が入るよりb接点が切れるほうが早いのです。 当たり前のことですが、回路図を描いているときは気づきにくいのです。同時に動作すると考えて回路設計を行うと、リレーがチャタリング(カチャカチャと連続で入ったり切れたりする)します。 これはリレーが動作してa接点が入る前にコイルへの電源供給が切れるため起こる症状です。順番をしっかり確認して回路の製作をして下さい。

リレー回路が理解できたらいよいよラダー図の説明にはいります。



ラダー図
絵で見てわかるシーケンス制御

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わかりやすい電気保全

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