RUN中書込

GX WORKS2起動で作成したラダー図を使います。

このラダー図を使い、シミュレータ上でRUN中書込みを行って編集してみようと思います。実際には変換+RUN中書込とよびますが、長いのでRUN中書込とします。
RUN中書込というのは、PLCがRUN状態(運転中)にラダー図の一部を変更したり追加したりすることです。どういうことかというと、PLCがRUN状態ということは実際にはPLCを使った設備は運転中かもしれません。生産中の場合もあります。 そこで設備を停止することなくラダー図を変更するということです。ただし、変更することは動作が変化する可能性があるので十分注意して行ってください。

説明よりも実際に作業して見ましょう。まずシミュレータを起動します。

メニューの「デバッグ」→「シミュレーション開始/停止」を押せば起動します。

PC書込の画面が表示されます。これは起動したシミュレータに対してパラメータやプログラムを書き込んでいます。シミュレータを起動すると自動で書き込みます。

同時にもうひとつ画面が表示されていると思います。これがシミュレータです。PLCは本来パソコンの外にあるものですが、パソコンの中に仮想的に作られています。先ほどはこのシミュレータの中に回路を書き込みました。

実機と同じようにRUNにしたりSTOPさせたりできます。プログラムにエラーがあれば実機のPLCと同じようにシミュレータも停止します。

画面の雰囲気が少し変わったと思います。これはモニタモードといってPLC内(ここではシミュレータ)の状態を表示しています。このモードでは回路入力はできません。入力しようとすると検索になります。
「X2」のb接点だけ塗りつぶされていると思います。これは「X2」はOFFですが、b接点なので「回路としてはつながっていますよ」という意味です。同じように「X1」はa接点でOFFなので回路としてはつながっていません。 では「X0」のスイッチを入れて、「Y0」のランプが点灯するか確認します。これはシミュレータなので実際には「X0」としての入力はできません。そこで強制ON/OFFの機能を使います。

強制ON/OFFさせたいデバイスの上にカーソルを移動させ、「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押してください。

強制ON/OFF:「Shift」+「Enter」

モニタモードで行える操作で、「X0」がONしたと思います。すると「Y0」もONしていると思います。もう一度「X0」の上で「Shift」+「Enter」を行うと「X0」はOFFします。 実際のPLCで「X0」にスイッチを、「Y0」にランプを接続していれば、スイッチを押すとランプが点灯します。もちろん配線にミスがなければですが。このようにパソコン内だけでもある程度の動作確認は可能なのです。

次はコイル「Y0」の上で「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押してみてください。「Y0]のコイルを強制ON/OFFさせようとしています。ONしないと思います。これはPLCがスキャン状態(RUN中)であるためです。 PLCはラダー図を上から下まで何回も確認(スキャン)してます。「X0」がOFFなので「Y0」をOFFする。そして次の行を確認し「X1」がOFFなので「Y1」をOFFする。ENDまでいくとまた最初からスキャンします。 つまり強制ONさせると一瞬はONするのですが、PLCがその行をスキャンした瞬間更新されてしまいます。つまり「X0」がOFFなので「Y0」もOFFされてしまうのです。

「X0」が強制ONできたのは、「X0」はコイルとして記述されていないのでプログラムのスキャンでOFFされないためです。「X0」に限らずコイルとして記述されていなければ強制ONさせることができます。 もしくはRUNを停止させればスキャンを行わないので強制ONさせることができます。しかしこの場合プログラムは停止しているので動作確認はできません。単純に出力をONさせてみたいときに使います。I/Oチェックなどですね。

もう少し詳しく知りたい方はプログラムの流れで説明しています。学習していくうちに少しずつ覚えていくことなので、次に読み進めていってもかまいません。

では次の回路を見てみましょう。シミュレータ上でのデバイスON/OFFは強制ON/OFFとなるため、今後は単純にONやOFFと書きます。
「X1」の点灯ボタンスイッチをONした状態です。

「X1」がONしているので「Y1」もONしています。「Y1」のコイルの端が塗りつぶされていると思います。これがONしている状態です。これで照明は点灯しているはずです。「X2」はb接点なのでONすると「Y1」はOFFします。ためしにON/OFFさせてみると分かります。
モニタ画面を見れば分かると思いますが、左側の縦線からコイルまで、接点がつながっていればコイルはONします。「X2」をON/OFFさせたとき「Y1」のコイルもON/OFFするのはそのためです。この場合「X1」と「X2」の接点が両方ともつながっていないといけません。(「X1」がONで「X2」がOFFです)

次の説明に入るので「X1」と「X2」をOFFにしてください。注意しないといけないのは「X2」はb接点なので塗りつぶされた状態がOFFの状態です。

「X1」は点灯押しボタンスイッチです。この回路では「X1」が常にONの状態でないと「Y1」の照明は点灯しません。つまり押しボタンスイッチを押し続けないといけません。せっかくなので「X1」を一度押せば「Y1」の照明は点灯し「X2」を押せば消灯する回路に変更してみましょう。

現状はシミュレータに接続されて、モニタしている状態です。この状態で「F2」キーを押してください。

これで書込モードに変わります。書込モードは最初の状態で、PLCやシミュレータと接続を切断した状態です。「F3」を押せば再度モニタモードになります。「F2」で書込モードです。 必ず必要なので覚えておいてください。

書込モードにしたら、今度は次のように変更してください。

「X1」の下にカーソルを持っていき、「Shift」+「F5」で回路入力してください。これはa接点をORで入力するショートカットキーです。上のメニューにもボタンがあります。「sF5」と書いてあると思います。sは「Shift」のことです。忘れたらメニューのボタンで確認してください。 cとついているのは「Ctrl」キーです。これで上記のように入力できるはずです。
(今回はプログラムの末尾に入力しているので自動的に挿入されています。最後のENDが勝手に下にずれていると思います。末尾以外で入力するには挿入する必要があります。挿入はまた別の機会に説明します。)

モニタ状態ではありませんが、現在PLC(シミュレータ)と接続されている状態です。ここで変換するときに「Shift」キーを押しながら「F4]キーを押してください。上の図のようにメニューから確認できますがショートカットキーで実行しましょう。ショートカットキーを忘れたときはメニューから実行してください。

RUN中書込:「Shift」+「F4}

次のような警告が出ます。「気をつけてくださいね」という確認です。「はい」を押します。ここでもマウスに持ち替える必要はありません。表示時は「いいえ」ボタンに点線の枠がかかっています。(これをフォーカスとよびます)
「←」キーを押してフォーカスを「はい」に合わせ、「エンター」キーを押してください。

完了確認画面が表示されるので「エンター」キーを押してください。

「F3」キーを押してモニタモードに切替えます。そして「X1」をONすると「Y1」もONします。次に「X1」をOFFしてください。

「X1」がOFFしても「Y1」はONした状態です。これは自己保持とよばれる状態で、「Y1」がONすることで「Y1」の接点もONします。するとスイッチ「X1」のかわりに「Y1」の接点がコイルをONします。 自分の接点で自分のコイルをONし続けるので自己保持とよばれています。

この状態を言い換えると、「X1」か「Y1」のどちらかがONした状態(OR)と、「X2」がOFFしている状態(AND)であれば「Y1」がONします。これで点灯ボタン「X1」を押せば照明「Y1」がONし続けます。

では消灯させる(「Y1」をOFFさせる)にはどうしたらいいでしょうか?すでにコメントで書いてしまいましたが、「X2」をONすればいいのです。実際には消灯ボタンというスイッチがあると仮定していますので、消灯ボタンを押せば照明「Y1」は消灯します。 この自己保持では「Y1」と「X2」の接点で「Y1」がONしています。つまりのこ間のどこでもいいので遮断すれば自己保持は解除されます。「Y1」はコイルの接点なので実際は遮断できませんので「X2」で遮断します。もちろん「X2」の右側にスイッチを追加することもできます。

ここまででRUN中書込みと自己保持の説明を行いました。話は少し戻りますが、コイル「Y0」を強制ONしようとしましたが、一瞬ONするのですがすぐOFFし、結果的にONできないという話を先ほどしたと思います。 そこで今度は「X1」と「X2」をOFFした状態で「Y1」をON/OFFしてみてください。この場合ONできると思います。自己保持にしておけば、一瞬でもコイルがONすればON状態を維持できます。 実際に動作中の設備をデバッグするとき、強制的にONしたい場合は一時的に自己保持にすればONできるのです。

間違えて通常変換してしまったとき

回路変更後RUN中書込しましたが、もし間違えて通常変換した場合どうなるでしょうか?間違えなくても意図的にすることがあるかもしれません。例えば設備がない場所でラダー図を作成するときは通常変換することになります。

ためしに実行してみましょう。結果としてはPLC側(シミュレータ)とパソコン内の回路が一致しなくなります。通常の変換ではパソコン内だけ変換され、PLC側は何もされません。動きを見てみます。そのままモニタモードにします。

「X1」をON/OFFしても自己保持がかかりません。これはパソコン内とPLC内の回路が違うためです。そもそも回路が違うのにモニタできるの?って思う方もいるかもしれません。
まずモニタですが回路不一致でもできます。回路は関係ありません。PLCの機種さえあっていればモニタできます。これは間違えて違う設備の回路を立ち上げてPLCに接続にてもモニタできます。 モニタには回路の状態までは見ていません。ではモニタモードでは何をモニタしているのかというと、デバイスのON/OFFや、ワードデバイス(データレジスタなど)の内容をモニタしています。 先ほどの不一致状態でのモニタを説明すると、まず「X1」の下にある「Y1」の接点はPLC側(シミュレータ)にはありません。それは通常変換しているのでパソコン側にあるだけです。 この状態でモニタして、「X1」をONするとパソコンのモニタでは自己保持がかかったように表示されます。しかし実際にはPLC側には「Y1」の接点がないので自己保持がかからないのです。

実際に回路が一致しているか確認してみましょう。

メニューの「オンライン」→「PC照合」から確認できます。

次に何を照合するか設定します。基本的には「パラメータ+プログラム」で大丈夫です。設定したら「実行」を押します。

このように「プログラムが不一致ですよ」と表示されます。不一致の表示をダブルクリックすれば詳細の内容も表示されます。ではこのような状態になった場合どうすればいいでしょうか?基本的にはパソコンかPLCのどちらかのプログラムを上書きします。 今回はパソコン側が最新なので、パソコン側のプログラムをまとめてPLC側に書き込みます。

メニューの「オンライン」→「PC書込」を押します。

続いて何を書き込むか選択します。今回はプログラムだけ書込みます。チェックをして「実行」を押します。

機種にもよりますが、プログラムだけならRUN中でもまとめて書き込めます。ですが基本的には設備を停止させてから行ってください。

この警告はPLCにすでにMAINというファイルがあるため、「上書きしてもいいですか?」と確認しています。上書きで大丈夫です。

このように全体を書き込んでしまえば、パソコンとPLC側の回路は一致します。そもそも回路不一致状態では回路の一部を変更した時の変換+RUN中書込みはできませんので、もしできない場合は回路の不一致を疑ってください。

今回はオンライン状態での基本的な操作説明をしました。やっていることはたいしたことはないので、慣れれば自然に指が動くようになります。



変換できない
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