シーケンス制御講座

信号の入力

センサーなどからの信号をどのように入力して使うのか、リレーを使って解説します。

作成日:2010年
更新日:2022年12月17日

光電センサーとは

リレーで制御回路を作る前に、センサーからの信号でリレーを動作させて見ましょう。

今回使用するのは光電センサーです。簡単に説明すると、センサーから光を飛ばしていて、その光をさえぎるとセンサーが反応します。その信号でリレーを動かすのですが、センサーについてもう少し勉強しておきましょう。センサーには透過形と反射形があります。まずは透過形を見てみましょう。

透過形センサー

透過形センサー 透過形センサー

透過形センサーは片方から光が出て、片方のセンサーで光を受け取ります。ではセンサーの間をさえぎって見ましょう。

光をさえぎると右側のセンサーが光を受け取れなくなり、センサーが反応します。つまり通路などにセンサーを仕掛けておけば、人が通るたびに反応します。このように光を出す方(投光側)と光を受ける方(受光側)の2個に分かれているセンサーを透過形センサーと呼びます。

反射形センサー

次に下のようなセンサーを説明します。

反射形センサー 反射形センサー

反射形センサーは投光側と受光側が一体になったセンサーです。どのように反応するのかというと…

上の図のようにセンサーの前に物を置くと、センサーから出た光が反射して自分に戻ってきます。その光を受信してセンサーが反応します。自分で出した光を利用して、センサーの前に物があるか判断しているのです。

では透過形と反射形センサー、どちらを使えばいいのでしょうか?私の場合、基本的に透過形を使用します。どうしても取り付けが難しい場合は反射形を使用します。理由は安定しているからです。産業機器の業界において、光電センサーの使用用途のほとんどは”製品”(ワーク)の検出です。反射形は特性上どうしても製品の色や、距離によって安定しない場合があります。さらにハイパワーなセンサーの場合、通路を歩く人に反応したりします。そのような理由で、できる限り透過形センサーを使うようにしています。
※これは私の個人的な意見です。最近の反射形センサーは昔ほど不安定ではないので用途によっては十分使用できますし、変位センサーなどは反射形です。レーザーセンサーの反射形などは長距離で使用できますので、安全面さえ気をつければ使い勝手は抜群です。注意点としては、メーカーによって性能が全然違います。メーカーによっては得意不得意があるので、しっかり相談して購入しましょう。

ダークオンとライトオン

次にセンサーには「ダークオン」や「ライトオン」という言葉がでてきます。センサーによっても違いますが「D/O」や「L/O」と表示されています。スイッチで切り替え可能なタイプもあります。たとえばダークオンはセンサーの受光側に光が届かなくなったとき(暗いからダーク)センサー出力がONします。透過形の場合はセンサー間に何か物がある場合、反射形の場合はセンサーの前に物がない場合です。ライトオンはその逆となります。つまり反射形と透過形でも逆になるので注意してください。

センサーの配線方法

センサーの基本が分かったところで、次は配線の方法について説明します。センサーからは下記の図のように色がついた線がでています。

センサーの配線

茶色がDCの+側です。産業機器の業界ではDC24Vをよく使用するため、ここにDC24Vの+を入れます。次に青色の線がDC24Vに対する-側です。そのまま接続します。投光側と受光側は同じです。この茶色と青色の線が電源線なので、一緒にして電源を供給しても問題ありません。最後に黒色の線が残りました。これは信号線です。センサーが出力をだすと、この信号線が-に落ちます。つまり下のように配線をすればセンサーが反応した時リレーが動作します。

リレー側には常に+を入れて起きます。センサーが複数ある場合はすべてのリレーに+を供給する必要があり、まとめて供給するため「プラスコモン」とよんだりします。そしてリレーのマイナス側をセンサーの信号線に接続します。これで完了です。

※線の色の補足です。昔の機器は線の色が違う場合があります。下記のように変換してください。
・赤色→茶色(DC+)
・黒色→青色(CD-)
・白色→黒色(信号線)

次にシリンダセンサーの接続も見てみましょう。シリンダについてはここでは説明しません。SMCなどのページで調べてみてください。シリンダ内部のピストンに磁石が入っていて、シリンダが前進した場合、内部のピストンも前進します。するとシリンダにつけられているセンサーが磁石に反応して動作するのです。これによって現在シリンダが前進しているのか、後退しているのかを判断しているのです。

シリンダセンサーは基本的に2本線を選ぶと接続が楽です。上の図のようにリレーと電源の間に取り付けるだけです。スイッチと同じイメージです。これが3本線になると光電センサーのような接続になります。

ここで説明したのは「NPN」というタイプです。日本の機器はNPNが多いらしいです。もし選択する必要があればNPNを選択しておくのが無難です。PNPとNPNで覚えにくいのですが、ニッポン⇒NPということでNPNと覚えましょう。

それでは基礎知識もついたところで、制御の説明にはいって行こうと思います。

リレー制御

図解入門 よくわかる最新 シーケンス制御と回路図の基本はKindle版(電子書籍)です。単行本ご希望の方は、フォーマットで単行本を選択してください。または、トップページよりご購入ください。

Copyright (C) 2010 シーケンス制御講座, All rights reserved.