シーケンス制御講座

BCD出力

BCDというのは、簡単に説明すると4つのビット(内部リレーや入出力デバイスのXYのようにON/OFFしかできないデバイス)を使って1桁の数値0~9を表現する方法です。1桁で4ビット必要なので2桁だと8ビット必要になります。

作成日:2015年01月10日
更新日:2023年03月31日


BCD出力とは

BCD出力について説明します。BCD(Binary-coded decimal)二進化十進数であり、二進数表示のものを10進数で表示を行ないます。難しい話をしても分からないと思いますので、下のイラストを見てください。

バイナリ出力

BCD出力の前に、バイナリについて簡単に解説しておきます。ちなみに二進数とは2で桁が上がるもので、0か1かの組み合わせです。十進数は10で桁が上がるため、皆さんが普通に使用している数値のことです。

とりあえずシーケンサーの出力をイメージします。この8点の出力で、何通りのパターンの出力が可能でしょうか?実は256通りのパターンが出力できます。

上の図のように「Y0」を1として、2倍に増やしていきます。そして出力されたアドレスの値を足していけばいいのです。ためしに行ってみましょう。

「Y0」、「Y2」、「Y5」がONしていると過程します。上の図のように足せば、合計が37になります。出力が全く出ていない場合は0ですし、すべて出力されれば255になります。0~255の256パターンの出力です。この出力方法をバイナリ出力とよんだりします。ビットの基礎知識を説明したところで、「BCD出力」について説明します。

BCD出力

「BCD出力」は一桁を4個の出力で表示」します。1~9の数値を「Y0」~「Y3」の4個の出力接点で出力します。上記の説明では、4個出力で0~15までの数値が出力できました。これを0~9まで使用して一桁に使用します。これが「BCD出力」です。つまり「BCD出力」で12という数値を出力すると、勝手に桁上げされます。そのため「Y0」~「Y7」までの接点が必要です。一桁4点の出力(ビット)と覚えてください。

上の図のような感じで一桁4点の出力で扱います。二桁目は十の桁です。そして下の図のように出力させてみます。

「Y0」~「Y3」までが一桁目なので、「69」の出力となります。これが「BCD出力」です。つまり一桁4点の出力で対応ができます。使用用途としては7セグ表示機への出力が主です。また最近ではロボシリンダの制御にもよく使用されています。

ラダー図の書き方

ラダー図の書き方は次のようになります。

ここでは「D10」の値を出力するのですが、K2Y0に出力します。これは「Y0」から2桁分出力するという意味です。つまりこのように出力すると、「Y0」~「Y7」までを使用します。
※BCD命令では10以上の数値は桁が上がってしまいます。4点の出力で15まで出力させたい場合はBCDの部分をMOVに変更してみてください。[MOV D10 K2Y000]

シーケンサーの種類にもよりますが、上記ラダー図では出力できない場合があります。その時は[BCD]の部分を[BCDP]に変更してみてください。



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