BIN入力
BIN入力というのは、外部機器からBCDで送られてきたデータをバイナリデータとしてPLCに取り込みことができます。
作成日:2015年01月10日
更新日:2023年03月31日
BIN入力とは
BCD出力している外部機器からデータを受信してみます。BIN入力というよびかたも変ですが、デジタルパネルメータなどからBCD出力している信号をシーケンサーに入力します。
デジタルパネルメーターが何をBCD出力しているかというと、表示している数値です。ちなみにBCDとは1桁4ビットで数値を表す方法です。つまり4ビットあれば0~9まで扱えます。そしてバイナリは4ビットあれば0~15まで使えます。PLC内部は基本的にバイナリで扱います。
実際のパネルメーターでは5桁程度の出力があるのですが、説明なので2桁で説明します。ここでは「63」と表示された出力を取り込みます。一桁目を若い番号から順番に接続していきます。基本的なことですが、パネルメーターはBCD出力が可能なものを選定します。出力タイプは選べるようになっていますので、購入時に型式を間違えないようにしてください。プログラムはこう書きます。
ラダー図の書き方
ここで「SM400」という接点が出てきました。これはQシリーズで使用する「RUN中ON」の接点です。FXシリーズでは「M8000」でした。注意が必要なのは、Qシリーズを使用する場合は(M722)をONさせておく。ということです。これはBCD出力を取り込むとき、エラーが出た場合キャンセルさせるコイルです。なぜエラーが出るかというと、例えば4ビットすべてONすると”9”という値を超えてしまい、BCDでは表現できません。このようなときにエラーが出ます。エラー時はCPUが停止してしまうので、問題が無ければエラーが出ないようにしておきます。CPUによっては必要ありません。今回はQシリーズでエラーが発生するため、入れてみました。これはパネルメータ側に”読込可能”みたいな出力がある場合は、この信号を使って読み込むタイミングを調整すればエラーは出なくなります。
上のプログラムを使えば、「D20」に表示されている値が取り込めます。BCD出力でデータを出力している機器からデータを受信するには「BIN」命令を使用します。今回は2桁なので「K2」としています。5桁取り込むには、5桁分の配線を行い、「K5」としてください。「K5」と書くと、20点分の入力を使用しますので、I/Oの空きに注意してください。
接点故障時の対応
最後にこのような命令は「X」や「Y」のデバイスのみではなく、「M」などの内部リレーにも使用できます。わざわざ「M」に置き換える必要があるの?って思われるかもしれませんが、知っていれば色々使用できます。例えばデジタルパネルメータからのBCD出力を「X0」~「X7」で受けているとします。この状態でシーケンサー側の「X2」の入力が壊れた場合どうしますか?又、桁数をもう一桁増やす場合は?
この場合、「X」への接続は連続ではなくなってしまいます。「BIN」や「BCD」命令でのビット指定は連続ビットです。つまりこの時点で「K2X0」のように「X」を指定していると値が正常ではなくなってしまいます。このような場合に、一度「M」に置き換えて並び替えれば問題なく入力できます。
こうすることにより、シーケンサーへの配線がバラバラでも問題なく値を取り込めます。桁数を後から追加することにも対応できます。ただしこれは緊急用の対策なので、最初からこのような配線をして設備を組み立てるのはやめておきましょう。
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