シーケンス制御講座
リレーを使って実際に制御回路を作ります。リレー制御はラダー図(ラダー回路)の元の形であり、リレー制御を理解することがラダー図習得への近道です。自己保持と歩進制御を中心に動画と回路図でわかりやすく解説します。
作成日:2010年
更新日:2026年05月06日
リレーを動かしてみる
リレーを使って制御回路を作ってみます。ラダー回路・ラダー図の基本となりますのでしっかり理解してください。
これまでの説明ではリレーは押しボタンやセンサーで動作するだけで、制御には使えないように見えるかもしれません。まずはスイッチとコイルを接続してみましょう。
押しボタンを押せばリレーが動作し、放せば元に戻ります。これだけでは意味のない回路です。次はボタンを押したらリレーを動作させ、ボタンを放しても動作し続けるようにしてみましょう。
自己保持
自己保持とは:コイルの接点を押しボタンスイッチと並列に接続することで、スイッチを放してもコイルが自分の接点を通じて自分自身に電流を供給し続ける状態のことです。
コイルの接点を押しボタンスイッチと並列に接続しました。押しボタンを押すとコイルが動作し、コイルの接点も動作します。すると押しボタンを放してもコイルの接点が自分でコイルに電流を流し続けます。これを「自己保持」と呼びます。
自己保持の解除
自己保持で注意が必要なのは、一度保持すると自動では解除できない点です。解除するための接点(切スイッチ)を回路に追加する必要があります。
上の図のようにb接点のスイッチを直列に挿入しました。コイルへの電源供給を断てば自己保持は解除されます。メインの電源を切っても同様です。この回路では、押しボタンを押せばコイルが動作し(自己保持)、「切」スイッチを押せば自己保持が解除されてコイルも戻ります。コイルには複数の接点があるため、a接点に緑ランプ・b接点に赤ランプを接続すれば、動作中/停止中をランプで表示することもできます。
簡単なリレー回路を作ってみる(歩進制御)
リレー制御は基本的に自己保持を順番にかけていき、最後に全ての自己保持を解除します。簡単な回路を紹介します。
この回路はDC電源で動作させています。上から順に説明します。上の2つのコイル(CR10・CR11)はセンサー信号用です。センサーが働くと対応するリレーが動作します。制御回路は誰が見てもわかるようにシンプルに組むことが大切です。
動作の流れは次のとおりです。押しボタンを押すとCR1(自動運転)が自己保持でONします。光電センサーが反応し自動運転中であればCR2がONしてシリンダが動作します。シリンダが前進端に達するとCR11(シリンダセンサー)がONしてCR3がONします。CR3がONするとCR2の自己保持が解除されシリンダが戻ります。このようにコイルを順番にONさせていく制御を「歩進制御」と呼びます。
また、自己保持の条件の接続位置を変えることで動作が変わります。上の回路では自動運転中にシリンダが動作中でも切ボタンを押した瞬間に停止しますが、CR2の並列接点の位置を変更すると、シリンダが動作を完了してから停止する「サイクル停止」にすることができます。
リレー回路の注意点
リレー制御で注意が必要なのは接点の反応速度です。コイルに電源を供給してから接点がつながるまで約20ms(0.02秒)程度かかります。さらに重要なのはa接点がONするよりb接点がOFFするほうが早いという点です。
同時に動作することを前提に回路設計すると、リレーがチャタリング(カチャカチャと連続でON/OFFする)することがあります。これはリレーが動作してa接点がONする前にコイルへの電源が切れるために起こります。動作の順番を正確に確認して回路を組んでください。
リレー回路が理解できたらいよいよラダー図の説明に入ります。また、自己保持の詳細解説ページも用意しています。自己保持をさらに深く理解したい方は先にご確認ください。
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