シーケンス制御講座

ランプ点滅1回路

シーケンス制御講座 実践講座 ランプ点滅1回路

ランプ点灯1回路のサンプルラダー図です。書き方はたくさんありますので、これが正解というわけではありません。

作成日:2019年05月10日
更新日:2022年12月16日


動作部分の解説

ランプ点滅1の問題の回答です。回答といってもプログラムというのは手段であっていろいろな回答があります。これが正解という回答はありません。作る人によっても違います。シーケンス制御講座での回答とは、一般的に使われていると思われる回路に似た回路にします。説明のために少しダラダラした回路になることもあると思いますがご了承ください。

まず「X0」を押すとランプが点滅し、「X0」をOFFしても点滅を繰り返すということなので自己保持を作ります。「X1」で消灯ということなので、「X1」で自己保持が解除されるようにします。

自己保持には「M0」を使いました。この「M0」はランプ点滅という動作をON/OFFさせるイメージです。次は点滅回路です。点滅回路といっても回路上で1秒間隔でON/OFFする接点を作ればいいのです。

これで「T0」の接点は1秒間隔で点滅します。「M0」がONしたときは「T0」も「T1」もONしていません。「T1」がONしていないので「T1」のb接点はつながっています。そして「T0」がONします。この「T0」というのはタイマーで、「T0」のコイルをONさせると指定時間後「T0」の接点がONします。ここでは「TO K10」と指定してあります。「K」というのは10進数での指定です。「10」なので1秒後ということです。ちなみに「K1」と指定すると0.1秒後になります。ここでは「K」で設定時間を設定できると覚えてください。

1秒後に「T0」の接点がONします。すると「T1」のコイルがONします。「T1」の設定時間も1秒なので「T0」の接点が入っている状態が1秒続きます。そして1秒後に「T1」の接点がONします。すると「M1」の右側の「T1」の接点はb接点なので「T1」の接点がONするとここは放れてしまいます。すると「T0」もOFFされその下の「T1」もOFFされます。すると最初の状態に戻ります。つまり「T1」の接点がONするとこの回路はリセットされ繰り返されます。これにより「T0」の接点が1秒間隔でON/OFFします。

出力部分の解説

最後にランプの点灯を「M0」と「T0」の接点を使えば点滅します。「M0」でランプを点灯させて、「T0」で消灯させてます。今回は「T0」の接点をa接点として使っていますが、b接点で使うとランプ点滅のタイミングが反対になります。

回路全体

全体で見るとこうなります。

特殊リレーを使う

点滅回路を作りましたが、「もっと簡単にできないの?」と思うかもしれません。実際には1秒間隔で点滅する接点はPLC側で準備されています。これは特殊リレーと呼ばれるもので「SM412」という接点が1秒間隔で点滅しています。ただ、たくさんある特殊リレーを暗記するのは大変なので調べ方を紹介します。

メニューの「ヘルプ」→「GX Works2ヘルプ」をクリックします。

特殊リレー/レジスタヘルプを開くと一覧が表示されます。クロックあたりを開けば表示されると思います。このヘルプを使って調べてみてください。

ちなみにこの特殊リレーの中に「SM400」というリレーがあります。これは常時ONというリレーで、その名の通り常にONしている接点です。非常によく使われるのでこれは覚えてください。

「SM400」:常時ON

先ほどの回答回路に「SM412」の1秒クロック接点を使ってみます。「SM400」も出てきたので、使い方も紹介しておきます。

単純に「T0」を「SM412」に変更すれば完了です。もちろん「T0」と「T1」の点滅回路を削除しても大丈夫です。上記の例では完全に消してしまうのではなく、試験的に変更してみたい場合「SM400」を使って片方を動作しないようにします。上記の例では「SM412」がある下の行が動作します。「T0」「SM412」の違いですが、「T0」は「M0」がONしたとき、つまり「X0」のスイッチを押してから1秒間隔で点滅します。つまり最初の点滅から1秒間隔で点滅します。「SM412」はPLCがRUN状態であれば常に点滅しています。つまり最初の点滅タイミングだけは1秒の補償がありません。実際にモニタしてみれば少しタイミングが違うのが分かると思います。

どうでしょう?うまく動作させることができたでしょうか?このような点滅のことを「フリッカ」とよびます。今回は自己保持とフリッカの回路作成講座でした。

もう1つランプ点滅回路を見てみましょう。


ランプ点滅2

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