シーケンス制御講座

機械保全技能検定2020年度2級

シーケンス制御講座 中級編 機械保全技能検定 機械保全技能検定2020年度2級

2020年度 機械保全技能検定 電気系保全作業 2級 実技試験の試験問題の解説です。問題は事前公開用を使用していますので、当日公開部分はご自身でご確認いただくか、問題内容を教えてもらえれば追記します。事前公開では”仕様1”と”仕様2”の問題が公開されており、これらの内のどちらかが当日出題されるみたいです。又、事前公開では黄ランプと緑ランプの動作は表示されていません。この部分は当日自力で解答する必要があります。
そのため、事前公開部分は“仕様1”、”仕様2”共に回路が作れるようになっておいてください。さらに黄ランプと緑ランプの動作はある程度予測しながら練習しておいた方がいいと思います。

機械保全技能検定は電気機器組み立て(シーケンス作業)よりも難易度は低いと思いますが、タイムチャートだけは読めるようになっておく必要があります。

IOは下記のように共通で決めています

  • XO:黒押しボタン
  • X1:黄押しボタン
  • X2:緑押しボタン
  • Y0:白ランプ
  • Y1:黄ランプ
  • Y2:緑ランプ

作成日:2024年07月08日
更新日:2024年07月08日


仕様1

ここの問題のポイントですが

  • 「黒押しボタン」を押すと「白ランプ」が点灯する。
  • その後「黒押しボタン」を放しても「白ランプ」は点灯状態を維持する。
  • 「緑押しボタン」を押すと「白ランプ」が消灯する。

このような流れで動作しますが、一部「黒押しボタン」を押しても「白ランプ」が点灯しない部分があります。ここが理解できないとこの問題は完成しません。

「緑押しボタン」を押すと回路はリセットされるようです。その後、最初に「黒押しボタン」を押せば「白ランプ」が点灯しますが、「緑押しボタン」を押したあと、「黄押しボタン」を押すと、「黒押しボタン」を押しても「白ランプ」は点灯しなくなります。

つまり「緑押しボタン」押した後や、動作の最初の状態では、最初に「黒押しボタン」を押さないといけません。「黄押しボタン」⇒「黒押しボタン」の順番では「白ランプ」は点灯させては行けません。最初に「黄押しボタン」が押されたら、「黒押しボタン」を押しても「白ランプ」が点灯しないようにロックをかける。この考え方ができればこの問題は難しくはないでしょう。では回路を見てみましょう。

回路としてはこれだけです。まず「黒押しボタン」(X0)で「白ランプ」(Y0)がONするようにします。この時「Y0」のa接点を使って自己保持にします。これは「黒押しボタン」を押して「白ランプ」を点灯させ、その後「黒押しボタン」を放しても「白ランプ」を点灯させ続けるためです。そして自己保持の条件に「黄押しボタン」(X1)のb接点を入れいています。これは全く同じタイミングで「黒押しボタン」と「黄押しボタン」が押されても「白ランプ」が点灯しないようにする対策です。

次のブロックを見てみましょう。次のブロックは「黄押しボタン」(X1)が押されたら「M0」をONして自己保持状態にしています。そしてこの「M0」のb接点は「白ランプ」の点灯条件にもなっています。つまり先に「M0」がONすれば、「黒押しボタン」(X0)を押しても「白ランプ」は点灯しなくなります。そしてこの「M0」がONする条件には「黄押しボタン」(X1)の他に「白ランプ」(Y0)のb接点があります。これはどういうことかというと、「黒押しボタン」を押して先に「白ランプ」を点灯してしまえば、もう「M0」でロックする必要はないので、「M0」はONしないようにしています。「Y0」か「M0」のどちらか先にONしたほうが優先してONするようになっています。

最後に「緑押しボタン」(X2)で回路全体をリセットするので、「Y0」と「M0」の自己保持解除条件に「X2」のb接点を入れています。

ここまでが事前公開用の問題解説となります。

仕様2

仕様2のポイントは

  • 「黄押しボタン」を押しても「白ランプ」は点灯しない。
  • 「黒押しボタン」を押しながら「黄押しボタン」を押すと「白ランプ」が点灯する。
  • 「白ランプ」が点灯すると「緑押しボタン」を押すまで点灯し続ける。

単純に考えれば「黒押しボタン」と「黄押しボタン」を同時に押せば「白ランプ」が点灯することになります。ただしこのタイムチャートには、最初に「黒押しボタン」が押されたパターンがありません。最初に「黒押しボタン」を押した状態にして「黄押しボタン」を押した時、「白ランプ」が点灯しないのであれば、動きは少し難しくなります。この簡単なパターンと難しいパターンを解説します。

まずは簡単なパターンです。

簡単なパターンはこれだけです。どこまで簡単に考えるかによって回路は変わってきますが、最も簡単に考えればこんな感じになります。「黒押しボタン」だ押された時に「黄押しボタン」を押せば「白ランプ」が点灯する。つまり回路はこれだけで大丈夫です。最後に「緑押しボタン」でリセットする。

では次に少し難しく考えた書き方です。「緑押しボタン」でリセット後、最初に「黄押しボタン」が押されています。つまり「黄押しボタン」⇒「黒押しボタン」を押しながら「黄押しボタン」と押せば「白ランプ」が点灯する。

この回路ではまず最初に「黄押しボタン」が単体で押された時に「M0」がONするようにします。この「M0」は「黄押しボタン」が単体で押されたという記憶です。記憶なので自己保持かけます。「黄押しボタン」が単体という事なので「黒押しボタン」のb接点も条件に追加しています。そして念のため「黄押しボタン」の接点を立ち上がり接点にしておきます。これは「黒押しボタン」を押しながら「黄押しボタン」を押し、その後「黄押しボタン」を放しても「M0」がONしないようにする対策です。

次に「M0」がONした状態で「黒押しボタン」をおして「黄押しボタン」を押せば「白ランプ」が点灯し、自己保持状態になります。この時も「黄押しボタン」の接点は立上がり接点にしています。これは最初に「黄押しボタン」を押して、そのまま押し続けた状態で「黒押しボタン」を押しても「白ランプ」が点灯しないようにする対策です。「黄押しボタン」は2回押さないと「白ランプ」は点灯しません。

一応難しく考えたパターンも載せていますが、多分ここまで難しく考える必要はないかと思います。それよりも当日公開される「黄ランプ」と「緑ランプ」がタイムチャート通りに動作するように回路を作ることに集中しましょう。



図解入門 よくわかる最新 シーケンス制御と回路図の基本はKindle版(電子書籍)です。単行本ご希望の方は、フォーマットで単行本を選択してください。または、トップページよりご購入ください。

Copyright (C) 2010 シーケンス制御講座, All rights reserved.