機械保全技能検定2023年度2級
2023年度 機械保全技能検定 電気系保全作業 2級 実技試験の試験問題の解説です。問題は事前公開用を使用していますので、当日公開部分はご自身でご確認いただくか、問題内容を教えてもらえれば追記します。事前公開では”仕様1”と”仕様2”の問題が公開されており、これらの内のどちらかが当日出題されるみたいです。又、事前公開では黄ランプと緑ランプの動作は表示されていません。この部分は当日自力で解答する必要があります。
そのため、事前公開部分は“仕様1”、”仕様2”共に回路が作れるようになっておいてください。さらに黄ランプと緑ランプの動作はある程度予測しながら練習しておいた方がいいと思います。
機械保全技能検定は電気機器組み立て(シーケンス作業)よりも難易度は低いと思いますが、タイムチャートだけは読めるようになっておく必要があります。
IOは下記のように共通で決めています
- XO:黒押しボタン
- X1:黄押しボタン
- X2:緑押しボタン
- Y0:白ランプ
- Y1:黄ランプ
- Y2:緑ランプ
作成日:2025年03月22日
更新日:2025年03月22日
仕様1

ここの問題のポイントですが
- 「黒押しボタン」、「黄押しボタン」と順番に押すと「白ランプ」が点灯する。
- 最初に「黄押しボタン」が押されたら、順番通りに押しても「白ランプ」は点灯しない。
- 「白ランプ」が点灯すると「緑押しボタン」を押すまで点灯し続ける。
この問題は「黒押しボタン」、「黄押しボタン」と順番に押せば「白ランプ」が点灯する回路です。必ず順番通りに押す必要があり、最初に「黄押しボタン」が押されたあと、「黒押しボタン」、「黄押しボタン」と順番に押しても点灯させては行けません。
そのため、間違った操作を行うとロックをかけて「白ランプ」が点灯しないようにしておく必要があります。

各ボタンの接点はパルス化しています。最初に「黒押しボタン」(X0)がONすると、「M10」で記憶します。「M10」がONしている時「黄押しボタン」(X1)がONすれば「白ランプ」(Y0)がONします。これがボタンを正常に操作し「白ランプ」が点灯する時の動作です。
次に最初に「黄押しボタン」が押された時は、まだ「M10」がONしていないので「M0」のロックがONします。この「M0」のロックがONすることで以降の回路は動作しないようにします。「M10」がONした後は「黄押しボタン」(X1)を押してもロックしないようにしておきます。
次に一度「黒押しボタン」(X0)がONし、再度「黒押しボタン」(X0)がONした場合もロックします。この「M0」と「M10」のコイルを書く位置が反対だと、上手く動かないので注意してください。
ここまでが事前公開用の問題解説となります。
仕様2

仕様2のポイントは
- 「黒押しボタン」、「黄押しボタン」と順番に押すと「白ランプ」が点灯する。
- 最初に「黄押しボタン」が押されても、順番通りに押せば「白ランプ」が点灯する。
- 「白ランプ」が点灯すると「緑押しボタン」を押すまで点灯し続ける。
- 「緑押しボタン」を押した3秒後に「白ランプ」は消灯する。ただし3秒間押し続ける必要はない。
2022年度の2級と同じような問題です。この問題は「黒押しボタン」、「黄押しボタン」と単純に順番通りに押せば「白ランプ」が点灯すればいいだけです。押す順番を間違えてもロックする必要はありません。
そして「緑押しボタン」で「白ランプ」を消灯させるのですが、押した瞬間消灯するのではなく、押した3秒後に消灯します。この時「緑押しボタン」を3秒間押し続ける必要はありません。そのため「緑押しボタン」を押した時にも自己保持が必要です。

単純に「黒押しボタン」(X0)、「黄押しボタン」(X1)と順番に押せばいいので、「黒押しボタン」を押すと「M10」で押されたことを記憶するために自己保持かけます。
「M10」がONした状態で「黄押しボタン」(X1)を押せば「白ランプ」(Y0)が点灯します。「Y0」で自己保持かけます。
次に「緑押しボタン」(X2)が押された3秒後に「白ランプ」(Y0)を消灯させます。ここでは「緑押しボタン」を3秒間押し続ける必要はなく、一瞬押せば3秒後に「白ランプ」を消灯します。そのため「緑押しボタン」が押されたら、押された記憶が必要なので、「M11」で自己保持かけます。
そして「M11」がONしたら同時にタイマーコイルの「T0」もONさせます。設定時間は3秒です。「T0」のコイルがONして3秒後に「T0」の接点がONするので、「T0」のb接点を使い「M10」の自己保持を解除します。「M10」の自己保持を解除すれば回路はリセットして、「白ランプ」も消灯します。これで完成です。「白ランプ」(Y0)がOFFすることで「M11」の自己保持も解除されます。
ここまでが仕様の参考回路です。ただし仕様1と同様に「黄ランプ」や「緑ランプ」の動作が公開されていませんので、実際の難易度はもう少し高いかと思います。
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