シーケンス制御講座

機械保全技能検定2022年度2級

シーケンス制御講座 中級編 機械保全技能検定 機械保全技能検定2022年度2級

2022年度 機械保全技能検定 電気系保全作業 2級 実技試験の試験問題の解説です。問題は事前公開用を使用していますので、当日公開部分はご自身でご確認いただくか、問題内容を教えてもらえれば追記します。事前公開では”仕様1”と”仕様2”の問題が公開されており、これらの内のどちらかが当日出題されるみたいです。又、事前公開では黄ランプと緑ランプの動作は表示されていません。この部分は当日自力で解答する必要があります。
そのため、事前公開部分は“仕様1”、”仕様2”共に回路が作れるようになっておいてください。さらに黄ランプと緑ランプの動作はある程度予測しながら練習しておいた方がいいと思います。

機械保全技能検定は電気機器組み立て(シーケンス作業)よりも難易度は低いと思いますが、タイムチャートだけは読めるようになっておく必要があります。

IOは下記のように共通で決めています

  • XO:黒押しボタン
  • X1:黄押しボタン
  • X2:緑押しボタン
  • Y0:白ランプ
  • Y1:黄ランプ
  • Y2:緑ランプ

作成日:2024年12月08日
更新日:2024年12月08日


仕様1

ここの問題のポイントですが

  • 最初に「黒押しボタン」を押したら「白ランプ」が点灯する。
  • 最初に「黄押しボタン」を押すと、その後「黒押しボタン」を押しても「白ランプ」は点灯しない。
  • 「白ランプ」が点灯すると、「黄押しボタン」押して「緑押しボタン」を押すまで点灯し続ける。
  • (最後のポイントは、ここまで必要はないと思いますが、タイムチャート通りにしてみます。)

単純に「黒押しボタン」を押したら「白ランプ」が点灯する回路なのですが、最初に「黄押しボタン」を押すと「白ランプ」が点灯が点灯しないようにロックをかける必要があります。一度「白ランプ」が点灯すると「黄押しボタン」を押しても「白ランプ」は消灯しません。つまり一度「白ランプ」が点灯してしまえばロックをかける必要はありません。

機械保全技能検定では通常「緑押しボタン」を押すと「白ランプ」が消灯して回路がリセットされますが、このタイムチャートでは必ず「黄押しボタン」押して「緑押しボタン」を押すことで「白ランプ」が消灯し、回路がリセットされています。今回はその様な動作で回路を作ってみます。

まず最初に「黄押しボタン」が押されたらロックをかけるように「M0」で自己保持します。そして最初に「黒押しボタン」が押されたら「白ランプ」が点灯するように「Y0」で自己保持かけます。そして両方のリレーが同時にONしないようにインターロックをかけます。これで先に「黄押しボタン」が押されて「M0」がONすると「Y0」はONできなくなります。

そして「白ランプ」が点灯後に「黄押しボタン」(X1)を押すことで「M1」のリレーで自己保持を行い、「黄押しボタン」が押されたことを記憶します。その後「緑押しボタン」(X2)を押せば「白ランプ」(Y0)は消灯するので、「M1」がON状態で「緑押しボタン」(X2)を押すと「M2」がONするようにします。

最後に「M2」の接点で「Y0」の自己保持を解除すれば完成です。

ここまでが事前公開用の問題解説となります。

仕様2

仕様2のポイントは

  • 「黒押しボタン」、「黄押しボタン」と順番に押すと「白ランプ」が点灯する。
  • 最初に「黄押しボタン」が押されても、順番通りに押せば「白ランプ」が点灯する。
  • 「白ランプ」が点灯すると「緑押しボタン」を押すまで点灯し続ける。
  • 「緑押しボタン」を押した3秒後に「白ランプ」は消灯する。ただし3秒間押し続ける必要はない。

この問題は「黒押しボタン」、「黄押しボタン」と単純に順番通りに押せば「白ランプ」が点灯すればいいだけです。押す順番を間違えてもロックする必要はありません。

そして「緑押しボタン」で「白ランプ」を消灯させるのですが、押した瞬間消灯するのではなく、押した3秒後に消灯します。この時「緑押しボタン」を3秒間押し続ける必要はありません。そのため「緑押しボタン」を押した時にも自己保持が必要です。

単純に「黒押しボタン」(X0)、「黄押しボタン」(X1)と順番に押せばいいので、「黒押しボタン」を押すと「M0」で押されたことを記憶するために自己保持かけます。

「M0」がONした状態で「黄押しボタン」(X1)を押せば「白ランプ」(Y0)が点灯します。「Y0」で自己保持かけます。

次に「緑押しボタン」(X2)が押された3秒後に「白ランプ」(Y0)を消灯させます。ここでは「緑押しボタン」を3秒間押し続ける必要はなく、一瞬押せば3秒後に「白ランプ」を消灯します。そのため「緑押しボタン」が押されたら、押された記憶が必要なので、「M1」で自己保持かけます。

そして「M1」がONしたら同時にタイマーコイルの「T0」もONさせます。設定時間は3秒です。「T0」のコイルがONして3秒後に「T0」の接点がONするので、「T0」のb接点を使い「M0」の自己保持を解除します。「M0」の自己保持を解除すれば回路はリセットして、「白ランプ」も消灯します。これで完成です。

ここまでが仕様の参考回路です。ただし仕様1と同様に「黄ランプ」や「緑ランプ」の動作が公開されていませんので、実際の難易度はもう少し高いかと思います。



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