機械保全技能検定2021年度1級
2021年度 機械保全技能検定 電気系保全作業 1級 実技試験の試験問題の解説です。問題は事前公開用を使用していますので、当日公開部分はご自身でご確認いただくか、問題内容を教えてもらえれば追記します。事前公開では”仕様1”と”仕様2”の問題が公開されており、これらの内のどちらかが当日出題されるみたいです。又、事前公開では黄ランプと緑ランプの動作は表示されていません。この部分は当日自力で解答する必要があります。
そのため、事前公開部分は“仕様1”、”仕様2”共に回路が作れるようになっておいてください。さらに黄ランプと緑ランプ、赤ランプの動作はある程度予測しながら練習しておいた方がいいと思います。
機械保全技能検定は電気機器組み立て(シーケンス作業)よりも難易度は低いと思いますが、タイムチャートだけは読めるようになっておく必要があります。
IOは下記のように共通で決めています
- XO:黒押しボタン
- X1:黄押しボタン
- X2:緑押しボタン
- Y0:白ランプ
- Y1:黄ランプ
- Y2:緑ランプ
- Y3:赤ランプ
作成日:2025年01月02日
更新日:2025年01月02日
仕様1

ここの問題のポイントですが
- 「黒押しボタン」を押すと押した回数をカウントする。
- 「黒押しボタン」を何回か押した状態で「黄押しボタン」を押すと「白ランプ」が点灯する。
- 「白ランプ」が点灯した後「黒押しボタン」を押すとカウントダウンする。
- カウントが1以下になると「白ランプ」が消灯する。
- 「緑押しボタン」を押すと「白ランプ」は消灯しカウントもリセットする。
タイムチャート上の「黒押しボタン」が押された上に番号がついています。これは「黒押しボタン」が押されたらカウントアップしています。これは「黒押しボタン」を押した回数となります。
「黒押しボタン」を押したカウントが2回以上の時に「黄押しボタン」を押すと「白ランプ」が点灯します。「白ランプ」が点灯した状態で「黒押しボタン」を押すと、カウントダウンします。そしてカウントが1回以下になると「白ランプ」は消灯します。

「黄押しボタン」(X1)が押されたとき、押した記憶を保持するために「M10」で自己保持かけます。次に「黒押しボタン」(X0)の信号をパルス化します。「黒押しボタン」を押すと「M0」がパルスでオンするようにしておきます。
次に「M0」の接点を使って、「黒押しボタン」押し記憶の「M10」がオンしていない時は、まだ「黒押しボタン」が押されていないということで「D0」を使ってカウントアップします。そして「M10」がオンした場合は「D0」をカウントダウンします。この時、カウントダウン条件として「D0」の値が0より大きいことを条件としています。(マイナスにならないようにしています)
次に「緑押しボタン」(X2)が押されたら「D0」のカウントをクリア(0を転送)します。同時に「M10」の自己保持も切るようにしています。最後に「M10」がオンしている状態で「D0」のカウントが2以上で「白ランプ」(Y0)が点灯するようにしています。
ここまでが事前公開用の問題解説となります。
仕様2

仕様2のポイントは
- 「黒押しボタン」「黄押しボタン」を押すとそれぞれカウントアップする。
- 「黄押しボタン」を押すとカウントアップするが、「黒押しボタン」のカウントが0になる。
- 「黒押しボタン」の押した回数と「黄押しボタン」ボタンの押した回数が同じなると「白ランプ」が点灯する。
タイムチャートだけ見ると複雑そうですが、よく見ればそこまで難しくはないと思います。
「黒押しボタン」と「黄押しボタン」をそれぞれ押した回数をカウントしていますが、「黄押しボタン」を押した時に「黒押しボタン」のカウントがリセットされます。そして「黒押しボタン」のカウントが「黄押しボタン」のカウントと同じになった時、「白ランプ」が点灯します。ただし「黒押しボタン」のカウントが1以上でないと点灯しません。

これは条件をそのまま書いています。「黒押しボタン」(X0)と「黄押しボタン」(X1)をそれぞれ「M0」と「M1」にパルス出力して、「D0」と「D1」でカウントしています。
「緑押しボタン」(X2)が押されると「D0」と「D1」に0を転送してリセットしています。
「白ランプ」(Y0)の点灯は「黒押しボタン」を押した回数「D0」の値と「黄押しボタン」を押した回数「D1」の値が同じになった時です。この時「D0」の値が0より大きい事も条件となります。
「緑押しボタン」を押すことで「D0」と「D1」もリセットされ”0”になるので、「白ランプ」も勝手に消灯します。
ここまでが仕様の参考回路です。ただし仕様1と同様に「黄ランプ」や「緑ランプ」、「赤ランプ」の動作が公開されていませんので、実際の難易度はもう少し高いかと思います。
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