シーケンス制御講座

タイムチャートの読み方

シーケンス制御講座 中級編 コラム タイムチャートの読み方

タイムチャートはタイミングチャートとも呼ばれ、とても重要なのですが使う機会はそこまで多くは無いと思います。例えば新しい機器とPLCを接続して制御するとき、機器の制御方法は基本的にタイムチャートで書かれていることが多いです。ただ使い方を覚えてしまえばタイムチャートは見る必要が無くなってしまいます。そのため使う機会というのはあまり多くならないのです。

作成日:2025年05月16日
更新日:2025年05月16日


タイムチャートの読み方

タイムチャートとは横方向の時間軸に対してスイッチなどを操作したとき、どのように出力されるかを表した図です。この動画では単純にスイッチの動作に対してランプがどのように出力されるかを表していますが、実際にはPLC以外の機器と信号のやり取りを行うときによく使われます。例えば何かの試験装置とやり取りするとき、試験完了後に試験装置は完了信号を出します。その信号にたいしてPLCがどのように信号を返せばいいのかなどがタイムチャートで書かれています。

簡単なタイムチャートで解説します。次のようなタイムチャートです。タイムチャートは基本的にはONとOFFしかなく、山になっている部分がスイッチを押してONしている状態です。

タイムチャートには本来時間の単位などは入れないのですが、わかりやすくするために入れいると次のようになります。

この場合、最初の1秒間はスイッチを操作しなくて、1秒後にスイッチを1秒間だけ押しているということになります。

タイムチャートにはスイッチの他にランプもあります。これはスイッチをこのようなタイミングで操作したとき、「ランプはこのように動作する」ということが書いてあります。

ランプもスイッチと同じで、高い部分がON、低い部分がOFFとなります。

このタイムチャートの場合は次のような回路になります。これはとても簡単なチャートですが、まずタイムチャートから動作をイメージして回路を作ったほうが簡単です。直接回路をイメージしてもいいですが、まずは動作をイメージしましょう。

直列回路のタイムチャート

これはスイッチを2個使ったタイムチャートです。縦の罫線は同じタイミングという意味です。まずは入力部分のスイッチに対して出力部分のランプがどのように動作するかイメージします。

動作を一つずつ解説していきます。

  • ①の部分ではスイッチ1のみを押しますがランプは点灯しません。
  • ②の部分ではスイッチ2のみを押しますがランプは点灯しません。
  • ③の部分でスイッチ1とスイッチ2が同時に押されたタイミングでのみランプが点灯します。

つまりこのタイムチャートはスイッチ1とスイッチ2が同時に押されたとき、ランプが点灯する動作を表しています。直列回路なのでラダーは次のようになります。

並列回路のタイムチャート

これもスイッチを2個使っていますが、先ほどのタイムチャートとランプの点灯タイミングが違います。

動作を一つずつ解説していきます。

  • ①の部分ではスイッチ1のみを押しますがランプは点灯します。
  • ②の部分ではスイッチ2のみを押しますがランプは点灯します。
  • ③の部分でスイッチ1とスイッチ2が同時に押されたタイミングでもランプが点灯します

つまりこのタイムチャートはスイッチ1とスイッチ2のどちらかが押されたとき、ランプが点灯する動作を表しています。並列回路なのでラダーは次のようになります。

自己保持のタイムチャート

これもスイッチを2個使っていますが、先ほどのタイムチャートとランプの点灯タイミングが違います。

動作を一つずつ解説していきます。

  • ①の部分ではスイッチ1を押すとランプは点灯します。
  • ②の部分ではスイッチ1を放してもランプは点灯し続けます。さらに押しても変 化しません。
  • ③の部分でスイッチ2を押すとランプは消灯します。

これはスイッチ1を押すと自己保持状態となり、スイッチ2を押すと自己保持が解除される回路になります。



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