シーケンス制御講座

3ポジションバルブの使い方

シーケンス制御講座 中級編 コラム 3ポジションバルブの使い方

3ポジションバルブはシリンダを中間停止させることができるバルブです。中間停止と言っても精度はよくないので、途中で停止させることができる。または途中で圧力を抜ける程度に思っておくほうがいいでしょう。

作成日:2025年09月29日
更新日:2025年09月29日


3ポジションバルブは基本的に5ポートダブルソレノイドバルブになりますが、両方のコイルの出力をOFFした時の位置があります。

以前解説した2ポジションのバルブは復帰側と動作側、シリンダでいうと前進側と後退側の2パターンしかありませんでした。しかし3ポジションはその中間があります。両方のコイルをOFFしたとき、バネの力でスプールが中間にもどります。中間位置があるのです。

3ポジションバルブは中間位置の出力状態によって、さらに何種類かに分類されます。クローズドセンタ、エキゾーストセンタ、プレッシャセンタの3種類になります。3ポジションという名前だけあって、中間停止が可能です。可能なのですが精度良くは停止できないと思います。大体の位置で止まる位の感覚です。シリンダの大きさやスピード、圧力によっても変わってくると思います。

クロースドセンタ

呼び方はいろいろありますが、”センタクローズ”や場所によっては”パーフェクトブロック”と呼ばれることがあります。

ソレノイドバルブのポートの記号は次のようになります。

P:エアー供給ポート
R:排気ポート
B:初期状態でエアーが供給されるポート(b接点みたいな感じ)
A:コイルONでエアーが供給されるポート

このバルブはコイルをONしている間だけシリンダにエアーが供給されます。両方のコイルをOFFすると残圧が残ったままバルブが閉じます。バルブが閉じるというのはAポートもBポートも出口がふさがれて、シリンダ内の残圧が抜けない状態になります。この状態なら圧がかかった状態で保持できるので、中間停止後に手でシリンダを動かしてもある程度は固定されます。

ローズドセンタの場合、どちらかの出力をONしてシリンダが動作中に出力を切ると上の図のような感じで両方に残圧がかかった状態で停止します。ただしこれには少し問題があり、配管内のエアーが絶対に漏れないのであればこの状態を維持できますが、実際はわずかではありますが漏れていると思います。シリンダなども長い目で見れば消耗品です。消耗する部分から漏れます。つまり時間が経過するとこの状態を維持できなくなります。一時的に止めると思ってください。

クローズドセンタは一時的に中間停止はかのうですが、一度動作端まで動いたら出力を保持しておかないと外部からの負荷や圧力差によってシリンダが押し戻される可能性があります。バルブと閉じた瞬間はシリンダの前進側と後退側の圧力が釣り合って、シリンダは停止していますが、シリンダから少しでもエアーが漏れていると、圧力が釣り合わなくなり、どちらか片方に動作します。例えばバルブを閉じたあと1日放置すると後退側に動作していることがあります。使い方としては上下シリンダの落下防止や手動での寸動動作に使用できます。

それとクローズドセンタは出力OFFでエア回路が閉ざされてしまうので、非常停止などで電源を切ると動かなくなります。これは何か事故があって、人が挟まれた場合も同じです。使い方には注意してください。

エキゾーストセンタ

ソレノイドバルブのポートの記号は次のようになります。

P:エアー供給ポート
R:排気ポート
B:初期状態でエアーが供給されるポート(b接点みたいな感じ)
A:コイルONでエアーが供給されるポート

このバルブはコイルをONしている間だけシリンダにエアーが供給されますが、両方のコイルをOFFすると残圧は排気ポートに排出されます。残圧を排出するということは、両方の出力をOFFするとシリンダは手で自由に動かすことができます。

停止したい位置で出力を切ると、シリンダの圧がなくなり中間停止します。さらに圧が無いので人が動かすことも可能です。

このタイプのバルブも使い方が難しく、シリンダにはスピードコントローラというスピード調整用のバルブが着きます。メータアウトのタイプの方が安定するのでこちらのスピコンを使うことが多いと思いますが、このタイプのスピコンはシリンダ内に圧がかかった状態で動かすことが前提です。

このバルブを使ってシリンダ内の圧を抜いたあと再度動作させるとものすごい速度で動作します。このバルブを使うときはメータインにするか、複雑な制御になりますが必ずどちらかに圧がかかっていないと動かなくするなどの対応が必要です。

使う場面としては動作端でシリンダの圧を一時的に抜きたいときに使用できます。動作後に別のシリンダで位置決めするので、このシリンダの圧を抜きたい(フォローティング)時に使えます。ただし再度圧をかける時は、最初に動作しない方向に一度出力させて、シリンダ内の圧が上がった後反対側に動作させる必要があります。

中間停止に使うよりは、停止後に一時的にシリンダをフリーにしたいときに使用します。もし非常停止などで運悪く中間で止まると起動時の速度が速いので、一度人がどちらかの端まで移動させて、そこから動くようにすれば急には動作しないと思います。

プレッシャセンタ

ソレノイドバルブのポートの記号は次のようになります。

P:エアー供給ポート
R:排気ポート
B:初期状態でエアーが供給されるポート(b接点みたいな感じ)
A:コイルONでエアーが供給されるポート

最後にプレッシャセンタ。このタイプは両方の出力を切るとシリンダにたいして両方のポート(前進側と後退側)にエアーを供給します。動作中に出力を切ると中間停止します。さらに両方から圧をかけているということで、前進側と後退側の圧が同じになるので、手でシリンダを動かせます。

注意点として上記のようなロッドタイプのシリンダを使うと中間停止できずに前進してしまいます。それはロッドタイプの場合、ロッドがあるので前進側の方がピストン動作方向に圧力がかかる面積が大きいので前進側の方が力がでます。そのため後退側にも圧はかかっていますが、前進側の方が強いので前進してしまいます。使うときはシリンダも選定して使う必要があります。

3ポジションのソレノイドバルブを紹介しましたが、万能ではありません。使う用途があればよく考えて選定してみてください。ただしロボシリンダーのように精度よく停止できないので、止まることができるというくらいの気持ちでつかいましょう。



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