なぜ非常停止はb接点を使うの?
非常停止の接点はよくb接点が使用されます。これはフェイルセーフの考えが取り入れられていて、例えば非常停止ボタンが故障したり取り外されるなど、何かあった場合に安全な方向に制御されるようにするためです。
作成日:2025年12月15日
更新日:2025年12月15日
なぜ非常停止はb接点を使うの?
設備には基本的に非常停止ボタンがあります。仕組みもさまざまなタイプがありますが、ほとんどの場合非常停止の信号はb接点を使います。例えば次のように動力そのものを遮断する場合はb接点で使わないといけません。

もしa接点を使うと、押している間だけ電源がONするおかしな設備になってしまいます。
では次のようにPLCに非常停止信号を入力するときはどうでしょう。この時も基本的にはb接点を使います。

PLCなので入力信号がa接点でもb接点でもプログラム上で自由に変更できます。しかしここもb接点で入力する必要があります。なぜこのような場合でもb接点を使うのでしょうか?この理由を順番に解説していきます。
フェイルセーフとは
フェイルセーフとは何かイレギュラーなことが起こっても設備は安全な方向へ働くという考え方です。何かが故障したら、故障を検知して設備を停止する。このような制御をプログラムで作っておく。そしてそのようなことをプログラム以外にも考えながら設計する。安全な方向というのは基本的に停止させる方向です。設備に何らかの異常が発生したら、プログラム的にもハード的にも停止する方向に働くようにします。
非常停止にb接点を使う理由
非常停止にb接点を使う理由には、先ほど解説したフェイルセーフの考え方が含まれます。フェイルセーフ意味がよくわからない場合、具体例を見るとよくわかると思います。まず非常停止をa接点とした場合、次のように非常停止ボタンを押すと「非常停止してください」という指令がPLCに入力されます。PLC側はプログラムで設備を停止させます。

問題はないように見えます。しかし非常停止ボタンを壊れたり、取り外されたらどうでしょう?
もし非常停止ボタンが壊れたら非常停止ボタンはOFFの状態で壊れる可能性が高いです。非常停止ボタンを取り外した場合も同じです。この場合もし設備に異常があり非常停止させたいとき、非常停止ボタンを押しても設備は停止しません。また、取り外された場合は押すことすらできません。しかもPLCは非常停止信号が入ってこないので、非常停止ボタンが壊れても設備は正常に動きます。大変危険です。

非常停止にa接点を使用すると大変危険です。ではb接点ではどうでしょうか?
非常停止ボタンにb接点を使うということは非常停止ボタンからPLCへの信号は「非常停止ではありません」という信号になります。これは「動作可能です」という意味にもなります。

非常停止ボタンからの信号が入力されていれば、プログラム的に動作できる。このようにプログラムを作れば大丈夫です。ここまでは先ほどのa接点と動作は同じです。
ではb接点の非常停止ボタンが故障したらどうなるでしょうか。基本的には非常停止ボタンの接点が放れ、PLCへ非常停止信号が入力されなくなります。非常停止ボタンを取り外したときも同じです。

この場合、PLCは「非常停止ではない」という信号が入力されないので、非常停止ということで設備は非常停止状態になります。もちろん動作することもできません。これがフェイルセーフの考え方です。
スイッチの形にも注意
フェイルセーフの考え方はスイッチの形にも現れます。押しボタンスイッチには次のような形状があります。

このようにボタンの形状によって押しやすくした形や押しにくくした形のスイッチがあります。
図解入門 よくわかる最新 シーケンス制御と回路図の基本はKindle版(電子書籍)です。単行本ご希望の方は、フォーマットで単行本を選択してください。または、トップページよりご購入ください。



